Q&A

よくあるご質問

ぶどう膜炎は、再発しやすい病気なのですか?
その通りです。ぶどう膜炎の再発・発作をくりかえすと、視力の低下が進んでいき、失明にいたる可能性もあります。また、ぶどう膜炎は白内障(はくないしょう)・緑内障(りょくないしょう)などの合併症を引き起こすこともあるため、定期的に通院し、根気よく治療を続けていきましょう。
サルコイドーシスによるぶどう膜炎だと診断されています。聞きなれない病名ですが、ぶどう膜炎の原因としてはよくある病気なのですか?
サルコイドーシスは、全身のさまざまな臓器に、肉芽腫(にくげしゅ)(炎症反応により生じる腫れもの)があらわれる病気です。あまり聞いたことがない病名かと思いますが、厚生労働省の指定難病であり、非感染性のぶどう膜炎を引き起こす第1位の病気として知られています。眼科の受診から、全身を検査し、サルコイドーシスと診断されることもよくあります。サルコイドーシスによる眼の炎症は慢性的に続くことが多く、緑内障(りょくないしょう)や白内障(はくないしょう)を合併することもあるので、根気よく治療を続けていきましょう。
※日本眼炎症学会による調査結果(2016年)より
「Jpn J Ophthalmol. 2021 Mar;65(2):184-190.
Epidemiology of uveitis in Japan: a 2016 retrospective nationwide survey Sonoda kh, et al.」
サルコイドーシスは、眼以外には、どんな症状があらわれるのですか?
いろいろな臓器に影響があらわれますが、眼以外では肺や皮膚、リンパ節、心臓などに症状があらわれます。具体的には、咳・息切れ、皮膚の結節、不整脈などの症状がみられる場合があります。
フォークト・小柳・原田病について教えてください。まずは入院することになりましたが、治療はどのように進められますか?
フォークト・小柳・原田病は、体の免疫システムが何らかの異常により、色素細胞(メラノサイト)を誤って攻撃してしまうことで起こります。そのため、色素細胞の多い眼などに炎症が生じるのです。風邪のような症状の後、急激な視力の低下が起こることもあります。入院されるとのことですが、発症初期にしっかり炎症を抑えることがこの病気の治療のポイントとなります。まずは点滴によるステロイド薬を使った治療が行われる場合が多いです。
フォークト・小柳・原田病は、眼以外には、どんな症状があらわれるのですか?
色素細胞の多い頭、耳、皮膚などに炎症が起こります。具体的には、頭痛・白髪、耳鳴り・難聴、皮膚が部分的に白くなるなどの症状があらわれることがあるでしょう。
数年前にぶどう膜炎の病状があらわれ、ベーチェット病であることが分かりました。視力が落ちる発作をくりかえしているので心配です。
全身のさまざまな部分に炎症が起こる病気で、”症状があらわれては消える”のをくりかえすのが特徴です。ベーチェット病は厚生労働省の指定難病であり、病気の原因は明らかになっていませんが、何らかの免疫異常が関係していると考えられています。眼の炎症をくりかえすたび、視力の低下が進みやすいため、適切な治療が必要です。発作が起きても炎症をすみやかに抑え、発作をなるべく少なくするための治療を続けていきましょう。
ベーチェット病は、眼以外には、どんな症状があらわれるのですか?
眼以外の主な症状としては、口内炎、皮膚の赤く腫れた発疹、外陰部の潰瘍などが挙げられます。そのほかにも、関節炎、消化管にできた潰瘍による腹痛・下痢など、多様な症状がみられます。
ぶどう膜炎の原因が分からないまま、治療を続けています。よくあることなのでしょうか?
ぶどう膜炎は原因の特定をすることが難しい病気で、眼や全身のいろいろな検査を行っても、原因が分からないことがよくあります。実際、患者さんの約3人に1人は原因不明といわれ、こうした場合を「特発性ぶどう膜炎」と呼んでいます。しかし、通院を続けて経過を観察する中でその原因が分かることもあり、何らかの病気によるものだと分かれば、それぞれの病気に合わせて、より適切な治療を受けることができます。サルコイドーシスやベーチェット病のような全身の病気の可能性もあるので、眼以外にも気になる症状があれば、医師に伝えるようにしましょう。
※日本眼炎症学会による調査結果(2016年)より
「Jpn J Ophthalmol. 2021 Mar;65(2):184-190.
Epidemiology of uveitis in Japan: a 2016 retrospective nationwide survey Sonoda kh, et al.」
ぶどう膜炎は再発が多いと知り、これからの生活や視力の低下が不安です。仕事や趣味を続けていけますか?
ぶどう膜炎は再発しやすいため、気長に病気と向き合い、治療を続けていくことが大切です。これからの生活が不安とのことですが、生物学的製剤が登場するなど、治療も進歩しています。適切な治療を続けて、眼の炎症を抑え、視力障害につながる白内障(はくないしょう)や緑内障(りょくないしょう)などのリスクを減らせば、深刻な病状になることが避けられる可能性があります。そのためにも、症状が良くなってきたからといって、薬や通院を自己判断でやめることのないようにしましょう。定期的に通院し、医師の診察を受けてください。